冬の相談会2027年2月13日(土)13:00~16:30 相談受付中 12/13締め切り
私たちは、京都の LD 特に読み書きに障害をもつ発達性ディスレクシアに関心を抱く様々な職種、様々な見解を持つ人たちに研究交流の場を提供し、発達性ディスレクシアについての情報交換・啓発活動を行うとともに、発達性ディスレクシア児・者の支援に寄与する 活動を行います。
2020年10月より、京都府乙訓地域で6回の読み書き障害の事例研を実施してきました。読み書き障害については、教育界でも20年以上も前からその支援の必要性が言われながら、なかなか支援が行き渡りません。その原因の一つに、行動の問題ならば周囲の関係者と直接の利害が生じやすいですが、学習の問題は他者との関係で、利害関係が生じにくいからです。簡単に言えば、他者は困らないからです。しかも、当事者ですら、自分が勉強できないのは自分のせいだと思っているからです。
そんな中でも通級教室担当教員を中心に読み書き障害は地道に支援が続けられてきました。しかし、支援している割には成果が上がりにくいことも読み書き支援の発展を妨げています。これは通級で支援できる回数が、週1回と極端に少ないことが原因です。読み書き障害への支援は毎日少しづつ積み上げることが求められます。また、この障害とは他の発達障害が合併しやすく、子どもによってはオーダーメイドの支援が必要となるからです。
こうした問題を、個々のケースに応じて地域福祉から量的にカバーすることも重要ですが、軽度まで入れると約1割と言われる発達性読み書き障害の問題は根本的には解決しません。そこで、学校関係者だけでなくこの問題に関心を持たれる支援者全ての結節点としてこの研究会は立ち上げられました。多くの関係者の皆さんの情報を集約し、最新の情報を関係者に流通させることで発達性読み書き障害への社会的支援の一助になればと思います。
会員募集
本会は,3年目を迎えました。新会員も少しずつ増え,『発達性ディスレクシア(以下 DD と略します)』への関心と理解が徐々に進んできています。
本会では精度の高いアセスメントを目指し,
・独自の『STRAW-R』(標準読み書きスクリーニング検査) 講習会
・個別の検査結果の読み取りや, 「AVLT」や「レイの複雑図形」の実施方法等
個別支援についての相談会や実践交流会を開催し,内容も充実しつつあります。DD は学習障害の中核と言われており,多くは『音韻障害』と『流暢性』の障害だと考えられています。にもかかわらず,教育や支援の現場では今なお
文章が読めない→「音読練習」
字が書けない,漢字が覚えられない→「漢字練習」
これを何度も繰り返すエビデンスの無い支援が散見されます。これは効果が見られないばかりか苦手意識や失敗感を蓄積させ就学初期から学習性無力感を引き起こす結果にもつながります。
例えば,DD 児の「勝手読み」という表現は,この表現自体が,子どもたちの「何とか文章を読みたい,読まなければ・・・。」という思いがくみ取れていない大人目線の心無い表現だと,私達は感じます。この「勝手読み」表現の視点は,失敗を指摘して何度も読み直しをさせる「指導」につながりやすく,子どもたちを救うどころか「読みたい」という意欲の芽を摘んでしまいかねません。私たちはこの場合,「読みのメカニズム(認知構造)」に重きを置いて,文章を読むという出力に着目するより,50 音を基礎とする入力から支援するべきだと考えています。
「京都発達性ディスレクシア学習会(KDSG)」は,研修会で学び,実践をしたいと思っている,又は実践をしつつもこれでよいのだろうかと悩む方々と一緒に不安や疑問を共有し解決していく会を目指しています。DD を抱える₍長期聴覚記憶に問題のない)人たちには,就学早期から「聴覚法(バイパス法)」を使っての指導が有効です。
我々「京都発達性ディスレクシア学習会₍KDSG)」は
「今や,発達性ディスレクシア₍DD)を知らずして学習障害支援の実践はあり得ない」
を,スローガンに今日まで歩んできました。
私たちと一緒に「発達性ディスレクシア」を学び合う仲間となって下さる方をお待ちしています。
2024 年 京都発達性ディスレクシア学習会
会長 山川 秀一
会員一同
本動画は、毎年10月の「世界ディスレクシア月間」に合わせて発達性ディスレクシア研究会がオンライン開催しているイベントの模様を記録したものです(約3時間50分)。発達性ディスレクシア(読み書き障害)について社会全体の正しい理解を深めることを目的に、主に以下の3部構成で実施されました。
第1部:発達性ディスレクシアの正しい理解 [02:04]
世間に蔓延する誤解や、マスメディア・新聞報道における間違った描写(例:「文字がぐにゃぐにゃ動く」「色付きフィルターが有効」「リズムに乗って踊れない」といった根拠の薄い説や極端な描写)を取り上げ、科学的根拠に基づいた正しい知識を解説。
第2部:当事者・保護者の声 [02:19]
ディスレクシアの子供を持つ保護者(通信制高校に通う子やバリスタを目指す子の親など)が登壇し、学校での合理的配慮の申請状況や日常生活・進路選択における課題・実体験を共有。
第3部:専門家によるQ&Aセッション [02:26]
視聴者から寄せられた質問に対し、専門家チームが学習支援、試験での合理的配慮(ルビ振りやデジタル端末の使用)、就労支援まで多岐にわたる疑問に回答。
全体のテーマとして、誤った視覚支援や民間療法に頼る危険性を警告しつつ、ICT・AIなどのテクノロジー活用と適切な合理的配慮こそが当事者の可能性を広げる鍵であることが強調されています。
マスメディアの誤った描写と色付きフィルターの効果に対する否定 [11:28], [15:14]
概要・発言内容: 近年の新聞記事等で「文字が二重に見えたり浮き上がったりする」といった見え方の問題としてディスレクシアが描かれがちな点について言及。海外(オーストラリア)の専門誌等の研究結果を引きつつ、「色付きフィルター等には科学的・統計的な効果があるとは言えない」と指摘し、効果のない対処法に頼ることで適切な指導や配慮が遅れるリスクを警告しました。
特徴: 単なる印象論ではなく、国際的な学術エビデンスを提示しながらメディアの誤報を正す姿勢が示されています。
「文字がゆがむ原因」に対する誠実な回答 [25:07]
概要・発言内容: 当事者から寄せられる「文字が歪んで見える」といった訴えについて、専門家が「なぜそのように見えると仰るのか、その明確な医学的・科学的原因は現段階では解明できていません」と明確に回答。
特徴: 解明されていない現象に対して曖昧な回答を避け、現在の科学で分かっていることと分かっていないことを明確に区別して伝える誠実なスタンスが顕著でした。
国家試験・学校での合理的配慮の格差(ルビ振り問題) [22:13]
概要・発言内容: 臨床検査技師などの国家試験において「漢字にルビ(ふりがな)を振ってほしい」という配慮申請に対し、「専門用語や漢字の知識自体を問うため不可」と断られた実例が紹介されました。
特徴: 教育現場から国家試験・社会進出に至る段階で、当事者が直面する制度的障壁や配慮の壁の実情が浮き彫りとなっています。
AI時代の到来とディスレクシア当事者の将来性 [03:47:01]
概要・発言内容: 司会・登壇者より「AIなどの新技術が登場することは、読み書きに困難を抱えるディスレクシアの人々にとってむしろ強力な追い風(有益)になる」という見解が提示されました。
特徴: 読字障害を単なる「ハンデ」と捉えるのではなく、読み上げ技術やAIツールを活用することでどんな時代でも能力を発揮できるというポジティブな将来像を示しています。
元動画URL: 第6回発達性ディスレクシアデイ(2026年10月4日開催)